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2009 年度 実績報告書

マカクザル盲視モデルを用いた視覚的気づきとその神経機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21500377
研究機関生理学研究所

研究代表者

吉田 正俊  生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (30370133)

キーワード膝状体外経路 / 空間的注意 / 視覚意識 / 急速眼球運動 / 盲視 / 残存視力
研究概要

マカクザルの第一次視覚野を除去して作成した盲視動物モデルを用いて視覚的気づきの神経機構を明らかにすることを目的とした。視覚的気づきはサッカードを用いた検出報告課題を用いて評価した。この課題では損傷視野に標的刺激が現れる条件では標的にサッカードすれば報酬が与えられ、標的刺激が現れない条件(ST-)では注視点が消えてからも注視を維持することによって報酬が与えられる。損傷側の半球の上丘中間層より課題遂行中のニューロン活動を記録した。
上丘ニューロン活動は、標的刺激が提示される条件(ST+)のうち、正しく標的の提示を報告できた試行(Hit)と報告できなかった試行(Miss)とでは、標的提示時の視覚応答がHit試行でより大きくなっていた。
また、このような活動は標的刺激が現れない条件(ST-)で誤ってサッカードした試行(False alarm)では見られなかったので、運動準備などでは説明できない。また、このような活動は健常側の上丘では見られなかった。よって、このような神経活動の修飾はV1切除によって特異的に引き起こされた視覚的気づきに対応した神経活動であると結論づけることができる。
さらに上丘浅層からも同課題遂行中の活動を記録した。これらの神経活動を視覚性ニューロンと視覚運動性ニューロンの二つのグループに分類して解析したところ、視覚性ニューロンでも視覚的気づきに関連した神経活動があることを見いだした。このことは、視覚的気づきに対応した神経活動が上丘内の局所回路によって形成される可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Saccade control after V1 lesion revisited2009

    • 著者名/発表者名
      伊佐正、吉田正俊
    • 雑誌名

      Current Opinion in Neurobiology 19(6)

      ページ: 608-614

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 見えないのにわかる-「盲視」の脳内メカニズム2009

    • 著者名/発表者名
      吉田正俊
    • 雑誌名

      日本眼光学学会誌視覚の科学 30(4)

      ページ: 109-114

  • [学会発表] 盲視サルにおける気づきと意思決定2009

    • 著者名/発表者名
      吉田正俊
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-09-18
  • [学会発表] Awareness and Decision in Monkey with Blindsight2009

    • 著者名/発表者名
      吉田正俊
    • 学会等名
      第13回意識の科学的研究学会大会
    • 発表場所
      ベルリン(ドイツ)
    • 年月日
      2009-06-06
  • [学会発表] Neural correlate of awareness in monkey with blindsight2009

    • 著者名/発表者名
      吉田正俊
    • 学会等名
      第24回日本生体磁気学会大会
    • 発表場所
      金沢市文化ホール
    • 年月日
      2009-05-29
  • [備考]

    • URL

      http://www.nips.ac.jp/%7Emyoshi/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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