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2010 年度 実績報告書

赤色蛍光カルシウムセンサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21500379
研究機関埼玉大学

研究代表者

中井 淳一  埼玉大学, 脳科学融合研究センター, 教授 (80237198)

キーワード生理学 / 神経科学 / シグナル伝達 / バイオテクノロジー / カルシウム
研究概要

カルシウムイオンは細胞内のセカンドメッセンジャーであり、神経細胞、筋肉、分泌細胞などほとんどすべての細胞で重要な働きをしている。従って、種々の細胞の活動をモニターするためカルシウムセンサーは広く利用されている。これまでのGFPを用いた蛍光カルシウムセンサーはほとんど緑色から黄色の蛍光カルシウムセンサーで、赤色蛍光蛋白(DsRed)を用いて赤色の蛍光を持つ蛍光カルシウムセンサーも開発されているが、励起光は青~緑の波長の励起光を用いる必要があった。この研究は、蛍光蛋白質をもとに蛋白質でできた「赤色光励起により赤色蛍光を発する」カルシウムセンサーを開発することである。赤色光で励起できる蛍光カルシウムセンサーができれば以下の点で非常に有効である。(1)赤色の励起光はエネルギーが低く、組織に対する光・熱損傷を軽減できる。(2)光の波長が長くなると組織の散乱がより少なくなるので、励起光が組織の深部に到達する。また組織の深部からの蛍光も波長が長いほど散乱されにくくなる。(3)in vivo測定ではフラビンなどの緑~黄色の自家蛍光が測定の障害となることがあるが、赤色のスペクトル領域では自家蛍光が格段に弱く、自家蛍光に影響されず測定できる。(4)これまでGFPをマーカーとした種々のトランスジェニック動物が作成され、世界中で利用されている。これらのGFPを組み込んだ動物に赤色のカルシウムセンサーは使用することができ、同じサンプルで、細胞を同定しながらカルシウムの測定を行うことが可能となる。H22年度は、赤色蛍光カルシウムセンサーのcDNAを用いて複数の部位について円順列変異ミュータントの作成し蛍光特性を検討するとともに、カルシウム結合蛋白質を融合し、カルシウムセンサーとなりうるcDNAを作成した。作成したcDNAを大腸菌に発現させ、カルシウムに対する感受性について検討した。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic visualization with an improved GCaMP reveals spatiotemporal activation of the spinal motor neurons in zebrafish2011

    • 著者名/発表者名
      Muto A, Ohkura M, Kotani T, Higashijima S-I, Nakai J, Kawakami K
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA

      巻: 108 ページ: 5425-5430

    • URL

      http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21383146

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Derived (mutated)-types of TRPV6 channels elicit greater Ca^<2+> influx in to the cells than ancestral-types of TRPV6 : Evidence from Xenopus oocytes and mammalian cell expression system2010

    • 著者名/発表者名
      Sudo Y, Matsuo K, Tetsuo T, Tsutsumi S, Ohkura M, Nakai J, Uezono Y
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci

      巻: 114 ページ: 281-291

    • 査読あり
  • [学会発表] GCaMP型改良カルシウムプローブ蛋白質を用いたXenopus胚発生時のカルシウム動態の可視化2011

    • 著者名/発表者名
      大倉正道, 進藤麻子, 原佑介, 山本隆正, 上野直人, 中井淳一
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2011-03-24
  • [学会発表] G-CaMPを用いた線虫体壁筋のin vivoカルシウムイメージング2011

    • 著者名/発表者名
      中井淳一, 安藤恵子, 宇佐美篤, 大倉正道, 池谷裕二, 松木則夫
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      パジフィゴ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2011-03-24
  • [学会発表] In vivo Imaging with Genetically-encoded Ca^<2+> Sensors2010

    • 著者名/発表者名
      Nakai J
    • 学会等名
      Horizons In Calcium Signaling
    • 発表場所
      Beijing, China
    • 年月日
      2010-10-12
  • [学会発表] 新規蛍光Ca^<2+>センサーG-CaMP4を用いた生体Ca^<2+>の画像化2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐美篤, 安藤恵子, 大倉正道, 池谷裕二, 中井淳一, 松木則夫
    • 学会等名
      次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2010
    • 発表場所
      京都大学(京都)
    • 年月日
      2010-09-11
  • [学会発表] G-CaMPによるin vivo calcium imaging2010

    • 著者名/発表者名
      中井淳一
    • 学会等名
      平成22年度生理学研究所研究会「神経活動の光操作(行動制御への応用)」
    • 発表場所
      生理学研究所(愛知)
    • 年月日
      2010-09-09
  • [学会発表] Brain Imaging with Improved GCaMPs in Zebrafish2010

    • 著者名/発表者名
      Muto A, Nakai J, Kawakami K
    • 学会等名
      Neuro 2010
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] In vivo or in vitro imaging ofcalcium dynamics with genetically encode d sensor G-CaMP42010

    • 著者名/発表者名
      Usami A, Gengyo-Ando K, Ohkura M, Matsuki N, Ikegaya Y, Nakai J
    • 学会等名
      Neuro 2010
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] GFPを用いたカルシウムセンサーによる細胞活動の可視化2010

    • 著者名/発表者名
      中井淳一
    • 学会等名
      病態解明から治療開発に向けたバイオイメージング研究シンポジウム
    • 発表場所
      自治医科大学(栃木)
    • 年月日
      2010-06-04
  • [学会発表] 小脳バーグマングリア細胞間を伝わるカルシウム波2010

    • 著者名/発表者名
      中井淳一
    • 学会等名
      第7回GPCR研究会
    • 発表場所
      科学未来館(東京)
    • 年月日
      2010-05-08
  • [産業財産権] 特定部位のアミノ酸を置換した緑色蛍光蛋白質またはそのホモログを用いたカルシウムセンサー蛋白質2010

    • 発明者名
      大倉正道, 中井淳一
    • 権利者名
      埼玉大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2010-232788
    • 出願年月日
      2010-10-15

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公開日: 2012-07-19  

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