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2011 年度 実績報告書

変異型ユビキチンリガーゼを発現する筋ジストロフィーモデルマウスの開発と病態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21500384
研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

今村 道博  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・遺伝子疾患治療研究部, 室長 (80221787)

研究分担者 万年 英之  神戸大学, 農学研究科, 教授 (20263395)
キーワード酵素 / 細胞組織 / 遺伝子 / 実験動物 / 筋ジストロフィー
研究概要

筋ジストロフィーニワトリの原因遺伝子は長い間不明であったが、分担研究者の万年らがこれを同定し、WWP1と呼ばれるHECT型E3ユビキチンリガーゼに1アミノ酸変異が生じていることを明らかにした。この筋ジストロフィーは優性遺伝であるため、変異はドミナントネガティブ効果で正常なWWP1機能を抑制している可能性がある。そこで我々はこの分子機構を明らかにする目的で筋ジストロフィーニワトリと同じ変異型WWP1を発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製し、組織学的及び生化学的解析を行った。
本年度は高齢のTgマウス筋線維内に認められる空胞と雌雄の関連を調べるため、1年齢以上の高齢マウス作出して解析を進めた。遺伝子改変を行ったC57BL/6マウスは野生型であっても高齢の雄にはtubular aggregate様の空胞が出現するが、今回我々は1年齢から2年齢の雌個体を作出したところ、そこでも筋線維内に空胞が確認された。また、培養細胞やTgマウスの筋肉を用いた生化学的、細胞生物学的解析において、変異型WWP1の多くは分解され、元来110kDaであるはずのものが約80kDaの小分子となることが分った。この分子はカルボキシル基端領域を欠失し、標的分子には結合するがE3リガーゼの機能を有さない可能性があり、正常型WWP1と競合することで基質のユビキチン化を抑制することが考えられた。更にジストログリカンとの関連について解析したところ、両者間の結合は認められなかったため、これがWWP1の基質ではないと推察された。
「1残基のアミノ酸変異が分子の分解を亢進してその産物が正常分子の機能を抑制する」という、本研究から得られた仮説はユニークなものであり、筋ジストロフィーの病態解析に新たな視点をもたらすだけでなく、WWP1に類似した多くのHECT型E3リガーゼの制御機構を考える上で大きな意義を持つものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Analysis of Expression of WWP1 protein in Mouse Normal Tissues2011

    • 著者名/発表者名
      IMAMURA, Michihiro
    • 学会等名
      51^<st> American Society for Cell Biology Annual Meeting
    • 発表場所
      Colorado Convention Center, Denver, USA
    • 年月日
      2011-12-04
  • [学会発表] Effect of a Point Mutation in the WWP1 Gene Associated with Chicken Muscular Dystrophy on Mouse Muscle Expressing Mutated WWP1 Transgene2011

    • 著者名/発表者名
      今村道博
    • 学会等名
      第63回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      北海道大学クラーク会館,北海道
    • 年月日
      2011-06-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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