理研ENU mutagenesisプロジェクトにより、膵β細胞障害による重篤な糖尿病の表現型を示す変異マウス系統が作出された。原因は新規翻訳タンパクの小胞体輸送に重要な役割を果たすSrpr(Signal recognition particle receptor)遺伝子のN425Kのミスセンス変異であった。変異型Srprを発現させたrat insulinoma由来INS-1細胞は、細胞増殖と細胞の生存性とインスリン分泌能が低下した。本研究により、小胞体輸送の異常によるインスリン産生障害とβ細胞の障害が糖尿病を誘発するという、新しい発症メカニズムが示された。
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