Nkx2-5遺伝子は心臓で発現しているホメオボックス遺伝子で、ヒトでは変異に伴う心臓疾患が知られている。マウスのNkx2-5遺伝子の完全な破壊は胎生致死となり、ヒトの疾患モデルを再現できない。本研究ではCreリコンビナーゼ依存的なNkx2-5遺伝子破壊マウスとCre遺伝子を心臓の時期特異的に発現するマウスとの交配により、胎生致死を回避し、房室ブロック、心肥大を伴うヒト疾患モデルを得た。このマウスでは、Nkx2-5遺伝子の機能低下に伴い、心臓の伝導系の形成不全が起こり、その程度に比例して心肥大の程度の増加が引き起こされていることが明らかになった。
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