研究課題
生体内の分子や細胞を可視化し、生体機能を観察するイメージング技術の発展が期待されている。イメージングにおいて対象物を可視化するためのプローブは極めて重要である。本研究では有機シリカ粒子技術を応用して多様なモダリティーに対応可能なマルチモーダルイメージングプローブ・ナノ粒子の開発を目標とする。開発するプローブはA)近赤外線蛍光、B)X線、C)MRI、D)PETと4つのモダリティを対象とする。本年度は昨年より研究を進めているシングルモーダルプローブ・ナノ粒子の作製研究がさらに発展できた。さらに得られた成果をもとにマルチモーダルイメージングプローブ・ナノ粒子の作製へと展開することができた。A)近赤外線蛍光を持つナノ粒子を2種類作製することに成功しており、それらを用いてマウス生体内での粒子の蛍光が確認できた。生体機能の可視化に向けた検討も進めている。B)X線においてはヨード化合物を含有する粒子の作製に成功した。また近赤外線蛍光とのマルチモーダル化を検討し、良好な結果が得られつつある。また金ナノ粒子を被覆した有機シリカ層に蛍光機能を付加させることにも成功した。C)MRIにおいてはT1強調において陽性シグナルを持つ粒子の作製を検討した。作製した粒子を3テスラのMRIにて評価を行ったところ陽性シグナルが確認できた。また酸化鉄を被覆した有機シリカ層に蛍光機能を付加させることにも成功した。粒子サイズも200nm以下の粒子の作製も可能であった。マウスを用いた動物実験において蛍光とMRIによるマルチモーダル検出が可能であった。D)PETにおいては粒子表面に核種を結合させるためのキレート剤の検討を進めている。粒子表面にキレート剤が得られた粒子に対してPET検出の準備を進めている。次年度はこれら成果をもとに、より多様なシングルモーダルプローブ・ナノ粒子の検討を進める。さらにマルチモーダルプローブの作製を進めていきたい。作製したナノ粒子にてマウスを用いて各モダリティーによるin vivoイメージングを行い生体内でのシグナル検出の検討を進めていく予定である。
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