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2009 年度 実績報告書

電子スピン共鳴計測による皮膚角層の階層的複合構造の画像評価

研究課題

研究課題/領域番号 21500410
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

中川 公一  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00244393)

研究分担者 山本 俊幸  公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30242192)
キーワード生体計測 / 電子スピン共鳴 / 皮膚角層脂質 / ESRイメージング / スピンプローブ / シミュレーション
研究概要

従来のホール素子を使うESR(電子スピン共鳴)の磁場制御では、磁場勾配をかけた時、正しい磁場を示さない。このために、電流検出型磁場制御を製造元である日本電子の協力のもとに、電流検出型磁場制御による磁場制御を行った。その結果、磁場勾配をかけた状態でも影響を受けずに設定磁場で試料を測定することが可能になった。
次に、円筒状に4点ある標準試料のファントム(模擬試料)を作製した。ファントムの標準試料としては、DPPH(2,2-Di(4-tert-octylpheny)-1-picrylhydrazyl))(4点、約1mm間隔と約2mm間隔)を用いた。はじめに、磁場勾配のない場合では、得られたESRスペクトルはシングルピークであった。次に、磁場勾配(9mT/cm)をかけた時は、4点の標準試料の信号に由来するピークを観測をすることができた。狭いピーク間が約1.0mm、やや広いピーク間が約2.0mm離れている場合の模擬試料を分離することができた。信号は4つに分かれたので、全体として、個々の信号強度は弱くなった。
また、これまでに研究開発したESRの手法を用いて、ヒト前腕内側部角層脂質の測定を行った。ESRに合わせて、TEWL(水分蒸散量)の測定も行い皮膚角層の構造状態を検討した。ESR測定とスペクトルシミュレーションの解析から構造性の指標であるオーダーパラメータ(S_0)を算出した。その結果、S_0の値は、二回目剥離で多少上昇する傾向にあった。スペクトル上で流動性成分の高いピークが、減少したことによると考えられた。また、TEWLの値も二回目剥離では、上昇する傾向にあった。TEWL値の上昇は、ESRの流動性成分の減少によるものと一致した。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] EPR and UV spectroscopic investigations of sucrose irradiated with heavy-ion particles2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Karakirova, K.Nakagawa, N.D.Yordanov
    • 雑誌名

      Radiat.Meas. 45

      ページ: 10-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高度なESR技法を用いた脂質構造とダイナミクスの研究2010

    • 著者名/発表者名
      中川公一
    • 雑誌名

      オレオサイエンス[総説] 10(4)

      ページ: 133-139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EPR Investigations of Spin-Probe Dynamics in Aqueous Dispersions of a Nonionic Amphiphilic Compound2009

    • 著者名/発表者名
      K.Nakagawa
    • 雑誌名

      J.Am.Oil Chem.Soc.[総説] 86

      ページ: 1-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      中川公一
    • 雑誌名

      第3版 現代界面コロイド化学の基礎((社)日本化学会編)(丸善出版)

      ページ: 445-449

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      K.Nakagawa
    • 雑誌名

      Handbook of Cosmetic Science and Technology 3rd Ed.(Informa Heathcare, New York)

      ページ: 207-215

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      K.Nakagawa
    • 雑誌名

      Textbook of Aging Skin(Springer-Verlag)

      ページ: 725-733

  • [学会発表] EPR-反転回復法による両親媒性化合物でできる膜のスピン-格子緩和時間2009

    • 著者名/発表者名
      中川公一
    • 学会等名
      第48回日本油化学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] 高度なESR技法を用いた脂質構造とダイナミクスの研究2009

    • 著者名/発表者名
      中川公一
    • 学会等名
      第48回日本油化学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] スロータンブリングシミュレーション法による皮膚角層の構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      中川公一, 安西和紀、Howard I.Maibach
    • 学会等名
      第48回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-11-12
  • [学会発表] 重粒子線照射によるスクロースとL-アラニンラジカルの生成断面積の検討2009

    • 著者名/発表者名
      中川公一, 安西和紀
    • 学会等名
      第48回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-11-11
  • [学会発表] EPR-スピンプローブ法による皮膚角層脂質の動的構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      中川公一、安西和紀、Howard I.Maibach
    • 学会等名
      第62回コロイドおよび界面化学討論会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2009-09-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.fmu.ac.jp/home/ricenter/nakagawa/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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