研究概要 |
足部疾患に対する3次元動態解析法を確立することを目的として,仰臥位で足部に軸圧を加え,立位荷重時の状態を再現してCT撮像が可能なシミュレーターを新規に開発し,作製した.この荷重装置の精度および再現性を検証した結果,十分な精度および再現性が得られており,臨床研究に応用できると考えた.この成果に関しては平成22年7月にワシントンDC(USA)で行なわれる第26回米国足の外科学会で報告する予定である. 本荷重装置を用いて,扁平足における足部の動態異常に関する研究を開始した.健常ボランティアおよび扁平足を有する患者のCTデータを用いて,得られたDICOMデータを解析し,足根骨の3次元画像モデルを作製し,動態解析を行った.すなわち,得られたCT画像を3次元立体画像再構築ソフトウェアを用いて,各足根骨ごとの3次元画像モデルを作製し,それらの立体情報を計算し,モデルの中間位の画像から動作時までの画像の移動量を計算し,中間位に対する各運動量を定量的に算出した.この結果,扁平足と健常足の動態に有意な相違があることが判明しつっあり,この結果をもとに,扁平足の治療に役立つ情報が得られている. 今後,扁平足に関するデータ解析を進め,その成果を発表するとともに,関節リウマチ患者の後足部不安定症に関する研究を開始する.平成21年度に確立した研究の方法論と得られたデータをもとに,足部疾患患者の歩行機能改善を目的とした研究の進捗が得られると考える.
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