研究課題/領域番号 |
21500415
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
花尻 達郎 東洋大学, 理工学部, 教授 (30266994)
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研究分担者 |
吉本 智巳 東洋大学, 理工学部, 准教授 (60230819)
水木 徹 東洋大学, 理工学部, 助教 (80408997)
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キーワード | ゼータ電位 / コールター法 / 電気泳動 / 電気侵透流 / 羊赤血球 / 抗原抗体 / スモルコフスキー / レーザードップラー法 |
研究概要 |
本研究グループにおいては、マイクロチャネルを利用して粒子個々のゼータ電位を評価できる電気泳動注を開発し、更に既存のコールター法を組み合わせた電気泳動コールター法(Electrophoretic Coulter Method; ECM)を提案してきた。本手法は検体一つ一つに対して、個々の粒径とゼータ電位を同時に解析することが可能である。さらに将来的には電気信号処理系のIC化、マイクロチャネル部分のカートリッジ化が可能であり、ポータブル化に向いた手法である。しかし、本手法により得られるゼータ電位の精度と信頼性を更に高める為にはチャネル壁面のゼータ電位による電気浸透流を評価し、その影響を考慮する必要があると考えられる。そこで計画2年目にあたる本年度においては電気浸透流と電気泳動とを独立に評価する為に粒子速度の電界依存性より、チャネル壁面のゼータ電位を算出した。本研究グループのECMでは、粒子がチャネルアパーチャー部を通過する際に発生するイオン電流のパルス幅から粒子の電気泳動速度およびセータ電位を得ようとするものであるが、粒子の速度は4つの成分、即ち電気泳動速度:v_<EP>、電気浸透速度:v<EO>、圧力勾配流速:v<PD>、拡散速度:V_Dから構成される。従って、粒子の実速度の電界依存性から、粒子のゼータ電位:ζと壁面のゼータ電位:ζ'の総和、及び、圧力勾配速度と拡散速度の総和を評価することができる。実験の結果、力勾配流速と拡散速度、及び壁面のゼータ電位を独立に評価することに初めて成功した。その結果、現在の我々のマイクロチャネルにおいては、これらの量は粒子固有のゼータ電位を抽出し正確に評価するには決して無視できるものではないことが明らかになった。
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