研究課題
イオンポリマーメタル複合体は、ナフィオンなどの導電性高分子に白金・金などの貴金属を化学めっきした複合体で、センサとしてもアクチュエータとしても動作する。1-3Vの電圧で大きな変位を発生し、任意形状に加工が可能で、無音で動作する、制御の容易な人工心筋のアクチュエータとして最適な材料である。平成21年度は、イオンポリマーメタル複合体の環状加工に成功し、管腔臓器補助アクチュエータの実現に向けて大きく前進した。また、IPMCインピーダンスの特性を計測し、パワーアシストハンド用センサを開発した。平成12年度より、助成を頂いた「イオンポリマーメタル複合体を用いた人工心筋開発の基礎研究」により整備した、加熱攪拌器、定温振盪器、精密天秤を利用して膜めっきを行なった。膜力学特性計測用には、ポテンショスタットを用いて定電流・定電圧を維持したパルス波による応答特性を、既存の等尺性張力測定装置、等張性変位測定装置により測定した。また、その電圧・電流に対する発生張力、応答変位特性を計測し、膜の変形メカニズムを検討するとともにアクチュエータ作成に最適な動作条件を検討した。成果を英文著書(Springer)、計測自動制御学会英文誌、計測自動制御学会SI部門、および幕張メッセテクノフロンティア2009モーションエンジニアリング展に発表した。
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SICE-Journal of Control, Measurement, and System Integration 2
ページ: 373-378
http://yokota-www.pi.titech.ac.jp/index-A.html