研究課題/領域番号 |
21500417
|
研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
伊原 正 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (70261039)
|
研究分担者 |
中村 太郎 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 助教 (70373082)
矢田 公 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (80093152)
|
研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 人工筋肉 / アクチュエータ / センサ / 導電性高分子 / スマートテキスタイル / 機能性高分子 / ソフトマテリアル / 医療機器 |
研究概要 |
イオンポリマーメタル複合体は、ナフィオンなどの導電性高分子に白金・金などの貴金属を化学めっきした複合体で、センサとしてもアクチュエータとしても動作する。 1-3 Vの電圧で大きな変位を発生し、任意形状に加工が可能で、無音で動作する、制御の容易な人工心筋のアクチュエータとして最適な材料である。 平成24年度は、イオンポリマーメタル複合体による人工舌プロトタイプモデルの開発に成功し、実現可能性の高い人工筋肉開発に前進がみられた。さらに、イオンポリマーメタル複合体をセンサとして用い、衣料に組み込んでヒトの動作を連続測定するスマートインタラクティブテキスタイルの開発に成功した。前年にははんだを用いない電極圧着技術の開発に成功し、これらの技術を組み合わせて実用化を図る。また、イオンポリマーメタル複合体の発生力をロードセルと等尺性張力測定装置による膜力学特性測定で比較した。平成12年度より、助成を頂いた「イオンポリマーメタル複合体を用いた人工心筋開発の基礎研究」により整備した、ヒートプレス、加熱攪拌器、定温振盪器、精密天秤を利用して膜めっきを行なった。膜力学特性計測用には、ポテンショスタットを用いて定電流・定電圧を維持した方形波による応答特性を、既存の等尺性張力測定装置、等張性変位測定装置により測定した。 また、その電圧・電流に対する発生張力、応答変位特性を計測し、アクチュエータ作成に最適な動作条件を検討した。成果を国際学会(CIMTEC2012)、計測自動制御学会SI部門、および東京ビッグサイトテクノフロンティア2012モーションエンジニアリング展に発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、当初計画のイオンポリマーメタル複合体による人工筋肉プロトタイプモデルの開発に成功し、また、センサ応用のスマートテキスタイル応用に成功した。特に人工舌モデルは、これまでにない医療機器開発に発展する可能性があり、実現可能性の高い人工筋肉開発として前進がみられた。ヒトの動作を連続測定するスマートインタラクティブテキスタイルは、衣料の中にセンサを組み込む技術の一つで、特に高齢者の医療補助に大きな進展が期待される。成果を国際学会、計測自動制御学会SI部門、および東京ビッグサイトテクノフロンティア2012モーションエンジニアリング展に発表した。成果を国際学会(CIMTEC2012:4th International Conference on Smart Materials, Structures, and Systems)、計測自動制御学会SI部門、および東京ビッグサイトテクノフロンティア2012モーションエンジニアリング展に発表し、評価を得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、イオンポリマーメタル複合体による人工舌モデルを発展させ、人の発話を補助するシステム、発声メカニズムを解明するシステム開発を目指す。具体的には口腔模型を作製し、声帯開閉の制御と、舌運動の制御をイオンポリマーメタル複合体によって行い、人と同じメカニズムで声を作るシステムの開発を行う。さらに、ヒトの動作を連続測定するスマートインタラクティブテキスタイルを組み込んだ衣料、手袋などを開発し、動作モニタの可能性を追求する。動作と同時に心電図などの生体情報を取り込むセンサを開発し、遠隔伝送するシステムを開発して、高齢者の身体情報モニタを可能にする衣料の開発を目指す。
|