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2009 年度 実績報告書

ナノテクノロジーを利用した部位選択的骨伝導能を有する人工関節軟骨の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21500435
研究機関近畿大学

研究代表者

速水 尚  近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20173057)

研究分担者 楠 正暢  近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20282238)
キーワード生体材料 / 生物・生体工学 / セラミックス / 超薄膜 / バイオメカニクス
研究概要

板状PVA-HおよびTi試験片の表面に化学量論的ハイドロキシアパタイト(HA)と,本課題の特色である擬似体液由来ハイドロキシアパタイト(SBF-HA)を300~1500nmの厚さで被覆した試験片を製作することに成功した.これらを培地としたヒト骨芽細胞の培養実験を行った.そして,これらアパタイト薄膜の細胞増殖能および分化能の指標であるアルカリフォスファターゼ活性とオステオカルシン産生を比較・評価した.アパタイトを被覆しない培地に比較して被覆した培地は,細胞増殖能,分化能とも1.5~2倍程度大きく,被覆の効果が認められた.一方,HAとSBF-HAの比較では,細胞増殖能・分化能に有意差は認められず,当初期待した結果は得られなかった.この原因は,SBF-HAに対する熱処理であることを突き止め,直ちに成膜方法を変更して再実験を実施した.その結果,分化能向上の効果につきHAに比べてSBF-HAの方が大きいことが示唆された.
ナノスクラッチ試験機を用いて,厚さ820-1860nmのHAおよびSBF-HA薄膜に対して,ナノスクラッチ実験を実施した.特にSBF-HA薄膜に対するスクラッチ実験は,独創的であり先行研究がないため,慎重に実験を行った.HAとSBF-HAの破壊特性と基板との密着強さには有意な差が認められた.定量値の決定にはさらなる実験結果の積み重ねが必要である.しかし定性的には,同条件で前者は破壊機構として壁開を生じ,後者は無数の微細亀裂の発生とその接続によって被膜が基板から剥離する傾向があることを明らかにできた.これらの特性に影響する表面性状を形態および表面粗さの両観点から検討した結果,被膜組成の違いは表面性状に大きな影響を及ぼさないことが示唆された.新たな課題が派生したが,平成21年度は予定通りに研究活動を展開できたと判断する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] パルスレーザー堆積法で成膜した疑似体液由来ハイドロキシアパタイト薄膜の生体親和性評価2010

    • 著者名/発表者名
      蔦谷燈
    • 学会等名
      日本セラミックス協会 2010年会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京都)
    • 年月日
      2010-03-23
  • [学会発表] ナノスケール生体アパタイト/HAp積層被覆インプラントの骨伝導に関する組織学的検討2009

    • 著者名/発表者名
      速水尚
    • 学会等名
      第21回日本アバタイト研究会講演会
    • 発表場所
      九州大学(福岡県)
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] 疑似体液由来ハイドロキシアパタイト薄膜コートの骨芽細胞への影響2009

    • 著者名/発表者名
      松村和明
    • 学会等名
      第31回バイオマテリアル学会大会
    • 発表場所
      京都テルサ(京都府)
    • 年月日
      2009-11-17
  • [学会発表] 人工半月板用のPVAハイドロゲル2009

    • 著者名/発表者名
      玄丞烋
    • 学会等名
      第36回日本臨床バイオメカニクス学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県)
    • 年月日
      2009-10-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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