研究概要 |
平成22年度は,平成21年度の研究で試作した「低侵襲的温熱治療システム」に組み合わせて患部が目標温度に到達したことを検知するための「磁束ベクトル推定技術」をピックアップコイルおよびロックインアンプを用いて構築した.同時に,複数のピックアップコイルを用いた場合のロバスト性について検討し,感温磁性体の位置が変動した場合にも透磁率の低下による磁束密度の変化分を安定して検知するための計算理論に関する基礎研究を進め,体動の影響を低減できる透磁率測定用プローブを製作する.ここでは2対のピックアップコイルを任意の平面上に配置し,それぞれのピックアップコイルの相対的な出力を比較することで,面内における感温磁性体の位置を推定し,体動によるズレを補正する方法を構築する.平成23年度前半までに,透磁率測定用プローブを備え,実時間で患部の到達温度をモニタリングしながら印加磁束密度を自動制御可能なソフトウェアを開発し,ロバスト性に優れた低侵襲的温熱療法システムに改良する予定である.これに必要な「チャンネル増設用のDSPロックインアンプ」は昨年度導入済みであり,今年度は制御用PCおよび新たに製作するピックアップコイルを消耗品として計上した.また,国際会議の場で昨年度までに得られた研究成果を発表するための旅費および大会参加費を,旅費として計上した
|