研究概要 |
本研究では,医薬品製造に関わるコンピュータ化システム(DMCS)の機能と性能が適切であることを立証するコンピュータ化システムバリデーション(CSV)の方法について研究し,最終的にはCSV実施支援環覓を構築する.平成22年度は1. 予測的CSV支援ツールと2. 回顧的CSV支援ツールの試作をした.そして,3. これらのCSV結果を保存・活用をするためのデータベースを実装した.さらに,4. CSVの標準であるGAMP5の中で要求されているDMCSの設計リスク評価を,故障モード影響解析を用いて実施する方法を検討した. 1. では,平成21年度に引き続いて,通常のコンピュータに搭載される新規開発のDMCSのCSV(予測的CSV)支援ツールを試作した. 2. では,平成21年度に引き続いて,通常のコンピュータに搭載されて稼働中のDMCSのCSV(回顧的CSV)支援ツールを試作した.さらに,プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)に搭載されて稼働中のDMCSのCSV(回顧的CSV)支援ツールを試作した. 3. では,1.と2.で試作したCSV支援ツールを用いて実施したCSV結果を保管するためのデータベースを試作した. 1. ~3. を試作したことにより,DMCSの種類に関わらず,CSVに関わる情報を一元的に管理できるようになった. 4. では,既存のDMCSの設計時に行われた検討の結果を元に,DMCSの機能レベルでの故障モード,故障,故障対策を洗い出して,故障モード⇔故障対策の一覧表を作成した.さらに,この一覧表を,DMCSのCSV時のリスクマネジメントに試行して,その評価を行った.
|