研究概要 |
本年度はまず昨年度までの研究により膝関節疾患患者においては重心動揺の影響による誤検知問題を改善するために,足裏接触状態計測システムの電極部の形状見直しを行い,足サイズ22cmから26cmまでの計測精度の向上が図られ,誤検出をなくすことができた.更に重心動揺の状態をリアルタイム表示できるように計測表示システムを作成し,理学療法士のその場での確認が可能になった.加えて重心動揺計測システムそのものの小型化を実現した.更にこれらの構築した各システムを用いて,人工膝置換手術患者における歩行状態の変化を市立甲府病院および本学附属病院にて継続的に計測し,患者の術前,術後の歩行状態の比較を行うとともに状態分類を行った.なお附属病院において手術件数そのものが大幅に少なくなったために患者データ収集が当初計画よりも遅れた.また対話型モーションプランニングシステムについては当初はすべてプログラム上で設定する予定だったが,理学療法士の意見を取り入れ,その場で股関節・膝関節最大曲げ角を調整できる方式に変更した.またモータアシスト率についてもその場で調整できる方が使い易いとの指摘から,コンピュータ上でのオフラインプランニングは不要であることが確認されたためシステムを変更した.なお装着ロボットシステムの自動設計システムについては,薬事法の関係でカスタムメイドが認められないため,自動設計ではなく駆動用カム形状のバリエーション設計をできるように改良した.また医療情報データベースシステムについて項目の追加を行い,健常者および人工膝置換手術患者のデータ蓄積を行った.
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