研究課題
本研究は、脳白質Atlas(Mori, Oishiet al., Neurolmage 40: 570-582(2008))を利用して、さらに統計的に有利な異常値検出手法を開発することを目的としている。本研究は、臨床応用を目的とするものではなく、各病態における異常値の検出手法を目的とするMedical Scienceに属する。また、本研究は、MRIから得られる情報を用いて病態解析行うことから、医用情報解析とその医科学領域への応用を目的とし、主に情報解析手法の開発を行うことから、大きくは情報解析分野に属する。本研究は、研究期間内に、解析手法の一次的な完成を目指す。また、2年目より、症例への適用を開始する。症例への適用に際して、必要となるソフトウェア群を整備し、解析ツールとして整備する。対象症例は、正常脳加齢データセット、ロベクトミーデータセット、Williams症候群データセット、強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder: OCD)データセットなどの脳白質の変性疾患を特徴とするデータ群である。さらに、本研究では、脳白質以外にも特定構造を有する脳内構造物(テンプレート)として取り扱うことが可能であると考えられる側脳室についてもDTIを用いた統計的な解析手法を開発する。研究期間内の計画および達成の様子は以下の通りである。「Sub-Atlas Based Analysis (SBA)解析手法の開発」および「加齢データセットへの適用」については予定開発項目を達成した。さらに、側脳室に関する解析では、VBA主体ではあるが2本の論文を投稿中であり、1件の特許を出願済みである。Atlas Based Analysis (ABA)およびVoxel Based Analysis (VBA)とSBAを組み合わせた手法の開発は、具体的な適用データセットに基づかなければ進行できないため、平成22年度に側脳室または加齢データセットを例に進めることとした。それ以外の計画は順調に推移しており、一部平成22年度分の計画(加齢データセットへの適用)も進行し、論文として投稿しているため、当初計画は概ね達成している。
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J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 80
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