本研究は、脳白質Atlasを利用して、さらに統計的に有利な異常値検出手法を開発すること、および病態解析への応用を目的とした。対象症例は、正常脳加齢データセット、強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder : OCD)データセットなどの脳白質の変性疾患を特徴とするデータ群であった。さらに、本研究では、側脳室についてもDTIを用いた統計的な解析手法を開発し、脳深部温度計測の基礎的な検討に用いた。「Sub-Atlas Based Analysis(SBA)解析手法の開発」および「加齢データセットへの適用」については予定開発項目を達成した。SBAの検出力はOCD患者の脳内水分子のApparent Diffusion Coefficient(ADC)を用いて、Atlas Based Analysis(ABA)との比較により検証され、SBAの異常値検出力は、はずれ値検定などにおいて、ABAと同等以上の検出力を有するという知見を得た。
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