研究概要 |
昨年度試作評価した結果よりレンズアレイの歪みが大きな問題となることが判明した.そのため,レンズアレイを再設計し,より広角な視野を確保するため,プロトタイプ2号機を作成した.レンズアレイには,レンズの被写界深度拡張技術を利用し,ピント調節を不要とした.本技術を使用することにより,明るい光学系で極めて深い被写界深度の画像を取得することが可能となる.ピント合わせが不要となるだけでなく,観察領域中のピントはずれの領域もほぼ無くなるため,腫瘍などの見落としの減少が期待出来る.レンズアレイの一部に波長帯域フィルタを使用し複眼像から視差を取り除く機能を設けた.これにより位置合わせをした状態で分光画像を観察することを可能とした.試作したプロトタイプシステムを利用し,連携研究者の吉田成人先生管理下にある広島大学病院光学医療診療部に通院する患者に同意をとった上で被験者になっていただき,大腸ポリープを計測することにより評価を行った.データの解析により,カラーフィルタの波長選択の最適化などの必要性が修正項目としてあげられる また,今回試作したレンズアレイでは,設計上は分子レベルに対応した設計を行ったが,実際の製作レベルで球面の制御が困難である点が指摘され,今後検討する必要があることが明確となった 一方で,3次元ディスプレイの普及により,より簡便に3次元観察システムを構築することができ,複眼光学利用したマルチスペクトル対応型の3次元システムの構築の可能性を確認することができた
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