研究課題/領域番号 |
21500447
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
舛形 尚 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (70263910)
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研究分担者 |
千田 彰一 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (30145049)
合田 文則 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90294769)
奥山 浩之 香川大学, 医学部附属病院, 医員 (50448362)
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キーワード | 心臓年齢 / 高血圧 / 脳心腎連関 / 糖尿病 / 心機能 / 左室肥大 / 臓器障害 / 脈波速度 |
研究概要 |
健常者および高血圧、糖尿病の患者400例を対象として、左室形態と左室機能面から評価した心臓年齢評価指標を計測し、健常者の心臓年齢標準曲線と、高血圧および糖尿病患者の間で比較を行い、高血圧・糖尿病が心臓年齢に及ぼす影響について検討した。健常者においても左室長軸方向の心機能が70歳代、80歳代から急速に低下する現象が認められ、正常な加齢による心臓機能変化曲線を明らかにし、本研究の基盤となる心臓年齢曲線を作成できた。また、高血圧と糖尿病はいずれか一方でも40~50歳代の比較的若年層からすでに左室長軸方向の心機能は低下しており、左室短軸方向の心機能評価指標では決して検出できない早期の心機能低下を心臓年齢曲線から検出できることが明らかになった。さらに心臓年齢曲線における加齢現象を最も進行させる状態は、高血圧と糖尿病の両者が併存する場合であった。即ち、心臓年齢は1)高血圧・糖尿病合併患者、2)高血圧と糖尿病のいずれかを有する患者、3)健常者の順に加齢による心機能低下が高度に進行することを明らかにする指標として、日常臨床に有用であることが示された。 さらに、心臓年齢指標は左室長軸方向の心機能のみでなく左室肥大から導出した心臓年齢指標からも評価可能であることを脳卒中(脳梗塞、脳出血)発症後の高血圧患者を対象として明らかにした。61例の脳卒中発症後の高血圧患者を対象として左室肥大の程度と、血管年齢指標である上腕-足首間脈波伝搬速度の関係を検討し、左室肥大と血管年齢の間には有意な相関が認められることを明らかにした。したがって左室肥大で評価される心臓年齢と脈波速度で評価される血管年齢には相関が存在することが示された。高血圧臓器障害の脳心連関を示す所見と思われ、高血圧の臓器障害予防にも臨床的意義を持つ所見と考えられた。
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