研究概要 |
平成21年度と22年度において、二次元スペックルトラッキング法により心房細動における左房壁細動を平均最大振動ストレインとして計測が可能であるデータを得た。そして左心房平均最大振動ストレインは経食道心エコー法により得られる左心耳血流速度波形(r=0.61,p<0.0001)との間に有意な正相関を、最小左房容量(r=-0.52,p<0.001)、左室拡張末期径(r=-0.31,p<0.05)及び左心房圧の非観血的な指標であるE/E'(r=-0.31,p<0.05)との間に有意な負相関が得られ、その中で左心耳血流速度波形と独立して関連することを見いだした。 平成23年度は左心房の平均最大振動ストレインの計測に再現性があることを示すためにIntraobserver variability studyとIntrerobserver variability studyを行った。その結果、その計測法には検者間の誤差は小さく、再現性を持って得られるデータが得られた。 そして、これらの研究成果の発表を下記に示すように3つの日本国内、アメリカ、ヨーロッパの超音波医学に関する学会で発表し、討論する機会を得た。研究者の意見は概ね好意的であり、興味を示す研究者が多数存在した。 その後、論文にまとめるべく、最新の左心房のスペックルトラッキングに関する論文を調べ、類似の研究業績がないことを確認した。現在、英語論文として執筆中であり、なるべく早期に仕上げて、投稿したいと考えている。
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