研究課題/領域番号 |
21500450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
神野 正敏 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30195185)
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研究分担者 |
藤本 眞一 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70209097)
水野 麗子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80398437)
太田 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00326323)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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キーワード | 超音波医科学 |
研究概要 |
【目的】分子標的治療薬は、腫瘍細胞に関連する標的分子に特異的に作用し、従来の殺細胞性抗腫瘍剤に比べ血液・消化器毒性などの臓器毒性は低いが、単独投与での抗腫瘍効果は必ずしも十分とはいえない。研究者らは、in vitroでCD20陽性B細胞性リンパ腫培養株に対して抗ヒトCD20抗体リツキシマブと低強度の超音波照射を併用することにより抗腫瘍効果が増強されることを示し、今回の予備実験でも確認している。新たな試みとして、EGF受容体(EGFR)発現頭頸部扁平上皮癌由来細胞株(HSC-3およびHSC-4)を用いて、in vitroで抗EGFR抗体製剤セツキシマブ(C-mab)による抗腫瘍効果が超音波照射により増強されるか、検討を行った。 【方法】まず1x10^6個のHSC-3またはHSC-4培養細胞株を12時間培養後、C-mabを100nMになるよう調整し、投与した。超音波照射は、C-mab投与30分後にpulse repetition frequency(PRF) 1Hz、強度0.5 W/cm^2(=output intensity of 0.38 W/cm^2)、照射時間1分の条件で施行した。 【結果および考察】頭頸部扁平上皮癌由来細胞株における、増殖抑制効果、アポトーシス誘導効果の上昇は、C-mab投与単独および超音波照射単独と比較して、C-mab添加後に超音波照射を行うことにより有意な増強を認めた。この結果、既に検証されたリンパ腫細胞におけるリツキシマブと超音波照射併用による抗腫瘍効果の増強と同様に、EGFR発現頭頸部癌細胞においても、分子標的治療剤であるC-mabと低強度の超音波照射を併用することで、より効果的な抗腫瘍効果が得られる可能性が示唆された。以上の実験結果に基づき、今後はin vivoにおいて、超音波照射がC-mabの抗腫瘍効果を増感できるか、さらに検討を重ねる予定である。
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