研究概要 |
本年度は肝冷保存において2層法に着目し,肝の冷保存を行うとともに、細胞分離後細胞の機能評を検討した。 1. 研究の方法 われわれは肝冷保存においてこの2層法に着目し,肝の冷保存を行うとともに、細胞分離後細胞の機能評価を検討した。 2. 研究成果 2層法を用いて摘出肝を3,12Hr冷保存するとそのviabilityは心停止直後の肝細胞のviabilityと比較し優位差を認めなかった。また2層法は、UW液に比較し、冷保存3,12hr後も有意にviabilityが良好であった。3hr、12hr冷保存した2層法群はコントロール群に比較し有意にATPレベルは高く維持され、またUW群に比較してもそのレベルは有意に高値であった。 培養液中におけるアルブミン合成能はコントロール群、UW群に比較し2層法は有意に高いレベルを維持していた。培養期間中細胞のアルブミン発現においてもコントロール群と同様、2層法群は、良好にアルブミン発現を維持していることを確認した。 冷保存3,さらに12hr後においても、移植後28日間にわたり血清アルブミン値はUW群に比較し有意に高値を示した。形態学的所見においても、2層法群は、移植後も脾臓内において良好な生着を示し、アルブミンに強発現していた。
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