研究概要 |
<目的>本年度はラット心停止モデルを使用し2層法導入による摘出肝冷保存後の細胞分離後肝細胞機能評価、ラット脾内移植への応用を検討した。 <研究の方法>ラット心停止モデル(warm ischemic time : 15, 30min)を用い、摘出肝を2層法(TLM群)あるいはUW液(UW群)を用いて冷保存を行う(12, 24h)。 <研究成果>Viability, ATP値は、有意にTLM群が高値であった。培養液中におけるアルブミン合成能はUW群に比較しTLM群は有意に高値を維持していた。培養期間中細胞のアルブミン発現においてもコントロール群と同様、TLM群は、良好にアルブミン発現を維持していることを確認した。冷保存6,さらに12hr後においても、移植後28日間にわたり血清アルブミン値はUW群に比較し有意に高値を示した。形態学的所見においても、TLM群は、移植後も脾臓内において良好な生着を示し、アルブミンに強発現していた。 <結語>心停止後肝をドナーソースとして、2層法を導入することで摘出肝の細胞機能を高度に維持することが可能であることが示唆された。2層法は心停止後肝を冷保存する優れた方法である。
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