平成21年度の実施計画である術者の視線および注視点計測手法の開発については、注視点を術野周辺に限定することで術者の視線を推定する手法の基本的な実装を行なった。また術者への三次元位置センサの設置位置や固定方法など、術者の作業を妨げない手法の検討を行なった。今後、精度向上のための改良、および事前のセットアップをできるだけ短時間に行なえるようにするとともに、安定した計測が行なえるようにしていく予定である。 術野表面形状計測システムの開発については、これまでに開発を行なってきた赤色レーザによる計測法と幾何学パターン投影による手法に関して、その精度と空間分解能、計測に要する時間、および想定している使用環境において計測に必要な機材が設置可能か比較検討を行なった。 また術野表面形状に応じた内部構造モデル表示手法については、内部構造モデルをあらかじめ変形させて術野に投影することで、表面形状の凹凸による投影像の歪みを低減する手法の実装を行なった。今年度は表面形状が既知のオブジェクトに対して内部構造モデルを投影し、視点およびオブジェクトを移動させた際の実装した手法の動作検証を行なうとともに、血管内治療を想定した環境下での術者の視点位置において術野にモデルを投影可能、かつ術者の手技を妨げないプロジェクタの設置位置について検討を行なった。今後、精度の検証を行なうとともにリアルタイムに内部構造モデルを変形させることができるよう、改良を行なう。
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