研究課題/領域番号 |
21500458
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
|
研究分担者 |
西村 陽介 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (50301338)
竹内 正明 産業医科大学, 医学部, 講師 (30236434)
芳谷 英俊 産業医科大学, 医学部, 助教 (30351894)
|
キーワード | 超音波医学 / 循環器 / 心臓弁膜症 |
研究概要 |
対象および方法:経食道心エコー法および外科手術時に僧帽弁後尖の逸脱によるMRと診断された連続19症例および正常対照者20名症例において以下の経食道心エコー図による測定を行った。 1)左室評価左室容量および駆出率の測定 2)局所僧帽弁逸脱およびtetheringの測定:経食道3次元心エコー法(GE Vivid 7;フィリップスiE33)を用いて僧帽弁尖全体の3次元心エコー図画像を記録する。僧帽弁を左室から見た3次元画像において、僧帽弁尖を前後方向に切った14断面の画像を得る。それぞれの断面で弁輪を結ぶ直線からの弁尖の逸脱あるいはtetheringの面積を測定する。各断面における逸脱あるいはtethering面積に断面間の距離をかけた値は、局所の逸脱あるいはtetheringの容量(volume)となる。このようにして、(1)僧帽弁後尖の逸脱容量・(2)僧帽弁前尖のtethering容量・(3)僧帽弁全体の逸脱容量および(4)僧帽弁全体のtethering容量を計測した。 結果: 1)僧帽弁後尖逸脱例において、前尖は有意にtetheringを受けていた。 2)このtetheringは、左室拡大と有意に相関していた。 3)僧帽弁全体の逸脱容量は単独ではMRの重症度と相関しなかった。 4)僧帽弁全体のtethering容量も単独ではMRの重症度と相関しなかった。 5)僧帽弁全体の逸脱容量とtethering容量の和はMRの重症度と良い相関を示した。 結論: これらの結果は、一次性の僧帽弁逸脱およびMRにより左室が二次性に拡大し、この拡大が主に非逸脱部のtetheringを出現させ、逸脱とtetheringの差が最終的にMRの重症度を決定することを示唆している。
|