アクチュエータは超音波モータを中空型に改造して、二自由度で空間を動かせるようにした。アーム部にはチタン、アクチュエータ構成部品および継手部はジュラルミンを用いた。従来、継手部には非金属材料のPEEK樹脂を用いていたが、たわみを生じる欠点があった。この部分をジュラルミンに変更することにより、よりたわみを少なくすることができた。アームのモータは、2つの直径が異なるアクチュエータを用いた。アームの根本には大きなトルクが必要なため直径が6cmのモータを用いた。また、ガントリ内のモータには自由度を高める目的と画像への影響を少なくするために3cmタイプのものを用いた。MRIに設置された手術支援アームを、外部からマスター・スレーブ方式において操作する。MRI装置内に設置されたアームが操作者と同様の動作をする。また、超音波モータは、周波数を可変することにより制御を行った。この制御回路にはDDS(Direct Digital Synthesizer)とPIC(Peripheral Interface Controller)によって構成した。PICにより離散時間系のPID制御法を用いて超音波モータの位置を制御する。超音波モータは、目標値に対してもハンチングを起こすことなく追従し、10ビットのAD変換と同等の分解能で動作した。PICは低価格のマイコンであり、制御回路を構成するにあたりコストが安くなる特徴がある。また、可変周波数制御方式を用いることにより、位相差を制御方式に較べて、より高速での移動および低速時での高トルク動作が可能となる。
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