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2011 年度 実績報告書

血管性認知症における局所脳代謝量によるリハビリテーションの機能予後予測の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21500464
研究機関東北大学

研究代表者

田中 尚文  東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40255568)

研究分担者 目黒 謙一  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90239559)
キーワードリハビリテーション / 痴呆 / 神経科学
研究概要

本研究の目的は、血管性認知症に対してADLの向上を目指した包括的なリハビリテーションの効果を実証し、その神経基盤を解明することである。
平成21年度は、移乗動作障害に対して課題指向型の運動療法と心理的支持を包括的なリハビリテーションとして実施した。平成22年度以降では心理的支持の効果を検討するために、平成21年度に心理的支持を実施した群(介入群)と病巣をマッチングさせた対象者を対照群として、心理的支持の代わりに世間話などを行った。組入れ基準は、NINDS-AIREN基準のprobable VaD患者で、移乗動作に介助を要し、MMSE10点以上でリハビリテーションにおける教示が可能であり、重度の併存疾患などリハビリテーションの阻害因子を持たない血管性認知症患者である。病巣を対照群とマッチングさせ、組入れ基準を満たした対象者のうち平成23年度は2名より同意が得られ、対照群は計4名となった。
臨床評価は、神経心理学的評価(MMSE、Geriatric Depression Scale(GDS)、標準意欲評価法(CAS))、運動機能障害評価 Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)、ADL評価(Functional Independence Measure(FIM))とFDG-PET検査を2ヵ月間のリハビリテーション前後に実施した。FDG-PET検査により測定した局所脳糖代謝量は Statistical Parametric Mapping解析を用いてリハビリテーション前後で比較した。その結果、対照群4名ではいずれの評価項目に明らかな変化を認めなった。これに対して、介入群6名ではMMSE、GDS、CASおよびSIASのいずれにも有意な変化を認めなかったが、FIMによる移乗動作の介助量は有意に減少し、局所脳糖代謝量では右島に有意な増加を認めた。したがって、ADL障害を有するVaD患者に対して運動療法に心理的支持を加えた包括的なリハビリテーションは有効であり、その効果は右島皮質の糖代謝の増加と関係している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Overestimation of self-reported activities of daily living in vascular dementia patients with a right hemisphere lesion2011

    • 著者名/発表者名
      Kimihiro Tezuka, Kenichi Meguro, Naofumi Tanaka, et al
    • 雑誌名

      Journal of stroke and cerebrovascular diseases

    • DOI

      10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2011.05.019

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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