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2009 年度 実績報告書

高齢者のバランス運動学習における脳内シナプス修飾に関する実験動物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21500471
研究機関広島大学

研究代表者

前島 洋  広島大学, 大学院・保健学研究科, 講師 (60314746)

研究分担者 出家 正隆  広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (30363063)
キーワードシナプス / グルタミン酸受容体 / バランス / 運動 / 学習
研究概要

高齢者におけるバランス運動か中枢神経系シナラスにおける可塑的変化に与える影響を検討するため、老化促進モデルマウス(SAM)を対象にローターロッドによるバランス運動介入群とその対照群を設け、採取脳に対して生化学的分析を行った。本年度はバランス運動学習において重要な小脳虫部領域における修飾を検討するため、生体SAMに対して1ヶ月間の運動介入を行い、小脳虫部を採取し、BDNF、NT3、NT4、NGF等の神経栄養因子とその受容体のmRNA発現レベルおよび小脳皮質における主要なシナプス受容体として働くAMPA受容体サブユニットのmRNA発現レベルをリアルタイムPCR法を用いた定量的PCR法により定量した。AMPA受容体のサブユニットGluR2は特異的リン酸花にまり後シナプス膜よりシナプス外に移行し、このことが選択的なシナプス抑制を惹起し、バランス運動学習において重要な要因として考えられる。そこで、ウェスタンプロッティング法に基づくGluR2の蛋白発現レベルとその特異的リン酸化レベルの定量を行った。ローターロッド運動の耐久時間は経時的に漸増し、1ヶ月間で有意なバランス運動学習効果を認めた。小脳虫部においてBDNFおよびGluR2のmRNA発現は1ヶ月間のバランス連動介入により有意な減少が生じた。その他の定量項目については運動介入による有意な効果は認められなかった。GluR2 mRNA発現量の減少は、後シナプス膜におけるGluR2のシナプス外移行によるシナプス抑制に追随して適応的に余剰なGluR2生成の抑制が惹起されている可能性も示唆される。次年度においては、高齢SAMを対象として本年度の結果と比較検討することにより、老化およびバランス運動の両要因とその相互作用を検討するとともに、より短い介入期間を設け、GluR2 mRNA発現抑制の前駆的徴候についての検討を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Modification of cerebllar AMPA receptor by balance exercise2009

    • 著者名/発表者名
      前島洋
    • 学会等名
      Neuroscience 2009
    • 発表場所
      シカゴ (米国)
    • 年月日
      2009-10-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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