研究課題
目的:連続4日間の最大筋収縮時磁気刺激法を用いた訓練法が高齢者の運動機能に与える影響について検討することを目的とする。運動機能を評価するため、運動誘発電位と最大つまみ筋力を、連続的に測定した。方法:6名の高齢者(平均年齢70.0±8.4)において、2秒間のあいだ、ボタン状ひずみゲージセンサーを右手親指と人差し指により最大筋力でつまませた状態で、左運動野に経頭蓋磁気刺激を加えた。これを10秒間隔で4回繰り返し(これを1セッションとする)、誘発された4コの誘発電位を記録した。セッションは15分間隔で1時間のあいだ5回繰り返した(これをテスト条件とする)。コントロール条件として、シャム刺激が用いたが、運動誘発電位を記録するために、初日と4日目の訓練の開始直後と開始1時間後のセッションだけは、実際の磁気刺激を用いた。結果:運動誘発電位の振幅と面積は、テストとコントロール群ともに、セッション後で有意に増加した。つまみ筋力は、2日目から4日目のセッション開始前において、コントロール群に比べてテスト群において増加する傾向があった。運動誘発電位の大きさの変化は両群で差がなかった。結論:今回の研究から、連日の最大筋収縮時磁気刺激法は高齢者の筋力を磁気刺激がない状態より増加させることが示唆され、今後の運動訓練法への応用が期待できる。しかし、この結果をより確実にするためには、被検者数を増やして更なる検討が必要である。また、刺激方法を更に検討することも必要と考えられる。
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香川大学看護学雑誌
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