研究課題
精神障害者の自助(セルフヘルプまたはピアサポート)グループを育成し支援していくことは、当事者のセルフスティグマの軽減に寄与するため地域精神保健福祉活動を推進していく上で必須のものである。今回は、精神障害者の自助グループを育成する過程でグループミーティングの中で見られたメンバー間の特徴的なコミュニケーションを明確にした。方法:総合病院精神科外来に通院中の精神障害者を対象に自助グループを育成する目的で週1回90分のミーティングを130回開催した。結果(経過のまとめ):ミーティング参加者は44名で、統合失調症48%、感情障害13%、広汎性発達障害7%、その他32%であった。一回の平均参加者数は5名であった。ミーティングの主なテーマは、日常生活で困っていることや対処法44%、病気や薬に関すること17%、仕事14%、家族関係7%、その他18%であった。次にミーティングを重ねるうちにメンバー間に特徴的なコミュニケーション、即ちレフレーミング(reframing)やユーモアが自然に頻繁に観察されるようになっていった。考察:リフレーミングとは物事の捉え方(認知)の枠組みを変えることである。ある状況をこれまでとは異なった側面から見直すことによって否定的な意味づけを肯定的な意味づけへと変化させる。意味が変わるとその人の反応や行動も変わる。このような現象がミーティングの中で自然と観察されたことはとても興味深いことであった。自分の体験を語り他メンバーの体験を聴く場を作ることの重要性が示唆された。
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精神障害とリハビリテーション 13
ページ: 79-87
Asia-Pacific Psychiatry 1
ページ: 120-129