研究概要 |
研究は、既存の医療インフラを利用して、県の保健所を中心となり、行政、医師会、地域中核(基幹)病院、大学で地域リハビリテーションを活用したCOPD地域連携システムの構築を開発する研究である。 われわれは長崎県県北保健所,長崎県平戸市、平戸市医師会などの協力を経て,COPDの疫学調査を行わった。その結果,田平町における50歳以上の総人口のCOPD有病率は8.3%と算出された。わが国でもCOPDは増加傾向にあり,本疾患の重要性がますます増してくることが予測される。われわれは,COPDの早期診断・早期治療含むCOPD地域連携システムの構築を開始した。 長崎県県北保健所が中心となり、COPD対策委員会を設けて、松浦市の50歳以上の全住民8.872人(5.562世帯)を対象にCOPDスクリーニング調査を行った。その結果、COPD疑い者は、10.1%で、専門医による確定診断の結果7.4%がCOPDであった。また。COPDは、女性(0.4%)より男性(15.7%)が、喫煙指数が多いほど、年代が高くなるほど(50歳代:4.5%、60歳代:6.0%、70歳代:11.1%)有病率は高かった。これらの結果から、県北保健所管内の医療県で、一般住民を対象に地域中核病院、保健所、開業医、呼吸リハビリテーション施設で、住民を中核にした地域病診連携COPDモデルを構築した。平成22年度は管内の全医療機関をCOPD診断ができる医療機関、呼吸リハビリテーションができる医療機関、入院対応ができる医療機関および保険適応による禁煙指導ができる医療機関に分類した県北地区COPD医療体制を作り、平成23年度からその制度をスタートする。
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