22年度は、身体制限を伴う高齢成人(60~80歳)を対象に下記の研究疑問を明らかにするためデータ収集を行った。軽度介助が必要である手段的日常生活活動(以下IADL)領域の、 (1)ある活動を療法士と共に3回の遂行練習を繰り返してした場合、IADL能力、遂行有能感新たな遂行方法の受け入れ、実際に生活で遂行しようとする意志、にどのような変化があるか。あるとすれば、変化を得るのに繰り返し練習は何回程度必要か。 (2)異なる様々な活動を対象者が療法士と共に3回の遂行経験を積むと、IADL能力、遂行有能感、実際に生活で遂行しようとする意志、に変化はあるか。 上記の研究疑問ごとに対象者をランダムに群分けを行い、各10名づつのデータ収集を行った。20名の対象者能力のベースラインは、先行研究とほぼ同じ能力の範囲の人であることが確認され、本研究の目的の一つである先行研究と比較検討ができる可能性が高いことが確認された。また、本研究で用いている活動リストの活動が、20名全員にとって高齢の対象者にとってなじみのある活動であり、男女にかかわらず1)グループも2)グループでもランダムに振り分けに問題がないことが明らかになり、本研究の手段に妥当性があることも確認された。若年成人とは異なる療法士への関わりや遂行へのアドバイズへの反応が認められ、それがIADL能力の変化にも影響がおよぶと考えられ、若年成人とは異なる結果がでる可能性も示唆された。
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