研究課題/領域番号 |
21500489
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐藤 春彦 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30274062)
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研究分担者 |
井上 剛伸 国立障害者リハビリテーションセンター研究所, 福祉機器開発部, 部長 (40360680)
横山 美佐子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70439149)
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キーワード | 側弯 / 脳性麻痺 / 理学療法 / 坐位保持装置 / 日常生活姿勢 |
研究概要 |
日常生活の中で重度脳性麻痺児が見せる非対称的で固定化した姿勢は、体幹変形の要因と指摘されているものの、日中、夜間を通して脳性麻痺児がどのような姿勢で過ごしているかを正確に記述した例はない。本研究では介護者の助けを借りずに、24時間正確に姿勢と運動を記述することを目的に、非拘束計測システムの構築を試み次のような成果を得た。 1. 小型加速度センサにより体位を判定した:胸部に弾性ベルトで小型(5cm×3cm×2cm)のロガー内蔵型の加速度センサを装着し、出力される重力方向からの傾斜角度に基づき、抗重力位、仰臥位、右側臥位、左側臥位、腹臥位の5つの体位を判定するプログラムを開発した。 2. 頭と体幹の非対称性を判定した:上記の体位を判定する加速度センサに加え、頭部にも同じセンサを装着し、両者の重力方向との傾斜角度に基づき、夜間、寝ている時の頭と体幹の非対称性を判定するプログラムを開発した。 3. 24時間姿勢運動計測により在宅の重度脳性麻痺児の変形リスクを明確にした:在宅の重度脳性麻痺児に対して開発した非拘束システムを使用して、24時間体位と運動を記録した。夜間、睡眠中の姿勢変換は健常児と比較し極端に減少し、最も少ない児では、11時間も同一姿勢であった。夜間は介護者も眠るため、日中以上に変形のリスクが高まることが確認された。 以上の成果により、夜間の寝返りを助けることが姿勢の固定化を防ぐ鍵になると考え、動的ポジショニング支援装置を試作した。姿勢への介入により変形の進行を防ぐことができるかを検証することが次の課題である。
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