研究課題/領域番号 |
21500500
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
青柳 陽一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30286661)
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研究分担者 |
山本 敏泰 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20412158)
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30330583)
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キーワード | 摂食・嚥下障害 / A型ボツリヌス毒素 / 治療的電気刺激 / 輪状咽頭筋 |
研究概要 |
これまでに累計30名以上の嚥下障害患者に対して1%リドカインを用いて輪状咽頭筋ブロックを行い、輪状咽頭筋弛緩不全と判定した20名において輪状咽頭筋ブロックで食道入口部の開大が得られ通過障害が改善したため、同部位にA型ボツリヌス毒素を注入した。当該年度は、脳幹梗塞患者の症例数が増加したのみでなく、輪状咽頭筋弛緩障害を呈した多発脳神経炎、Meige症候群患者に対しても、A型ボツリヌス毒素を注入し食道流入に改善がみられた。ボツリヌス毒素注入を行った患者は、注入前は胃瘻もしくは経管栄養にて栄養摂取されていたが、全員で嚥下機能に改善がみられた。長期にフォローしている患者においても有害事象は発生せず、ボツリヌス毒素注入療法は、輪状咽頭筋弛緩不全患者に対して有力な治療法であることが示唆された。またWallenberg症候群のブロック時の筋電図データを解析した結果、11例中10例で舌骨筋群の収縮から輪状咽頭筋の弛緩という一連の協調的かつ連続的な嚥下中の筋活動が障害され、嚥下時の輪状咽頭筋筋電図は、(1)完全弛緩、(2)不完全弛緩、(3)弛緩不能に分類可能であることを新たに見出した。完全弛緩例は20%未満で、不完全弛緩もしくは弛緩不能が80%以上を占めた。以上より、Wallenberg症候群における通過障害は、輪状咽頭筋弛緩障害に加えて、嚥下関連筋の協調的かつ連続的な筋活動の障害、すなわち協調運動不全による通過障害が深く関与していると考えられた。 喉頭挙上の改善を目的とした治療的電気刺激に関する検討では、嚥下障害患者4名に対して電気刺激装置(8chFES II)を用い、両側舌骨周囲筋腹上の皮膚表面に刺激電極を貼付して2週間(1日当たり約15分)の電気刺激を行った。結果は、嚥下動態、喉頭挙上において改善する傾向がみられる。今後、症例を重ねて検討する必要がある。
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