研究概要 |
下肢荷重量計測システムを製作し,最も下肢筋のswitching silent period(SSP)が誘発しやすいトラッキング動作課題や条件設定などを検証した.予備実験の段階では大殿筋,中殿筋,股関節内転筋群,大腿四頭筋,ハムストリング,前脛骨筋,ひらめ筋,腓腹筋からの筋電波形から得られるSSPを検証したが,トラッキング動作課題や条件設定から下肢筋のなかで最もSSPの特徴が認められる筋は中殿筋であった. 精度や再現性に関する基礎実験を行った.SSPが出現する者と出現しないものが存在することが明確になり,その違いに動作戦略の違いが関与している可能性が示唆された.よって,両者の動作戦略の違いを解明する研究を行っている.また,両者ともに内部股関節外転モーメントは発揮されるが,その発揮様式の違いについても現在検証している段階である. SSPが出現する者でその出現する条件について研究を行った.片脚起立を課題動作として行った.その結果,肩幅の広さに足部を位置させ,50%以上の荷重をかけた状態で初期筋活動が認められる場合に出現しやすいことが明確となった.荷重量の減少,足部の幅を狭める,広める状態では,中殿筋の筋活動電位は減少した,よって,そのような条件ではSSPは出現しないことが明らかとなった.
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