研究課題/領域番号 |
21500516
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
藤澤 正一郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (50321500)
|
研究分担者 |
坊岡 正之 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (90352012)
佐藤 克也 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (10403651)
伊藤 伸一 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (90547655)
|
キーワード | 視覚障害者 / 歩行支援 |
研究概要 |
僅かな視機能を頼りに歩行するロービジョン者は、比較的白い歩行面上に黒い帯が敷かれているとき、その黒い帯を「溝」や「穴」と誤識別することがある。本研究では弱視者(ロービジョン者)が歩行面上の黒い帯を「溝」と感じる帯の幅や帯の明度と照度の関係を明らかにすることを目的としている。一般的には黒い帯を「溝」と感じる明度はかなり黒や黒に近いグレーであるが、定量的に明らかにすることにある。一方、ロービジョン者にとって視覚障害者誘導用ブロック(通称:点字ブロック)と敷設面との輝度比が確保できない場合は、点字ブロックの両端に側帯を付けることによって視認性を確保することが有効であることが分かっている。本研究によって点字プロックの視認性の確保を担保しながらもビジョン者の歩行の安全を確保するための基礎的データを取得することが可能となる、初年度の平成21年度に実施した予備実験に基づいて平成22年度は本実験を行った。被験者数は59名で実施した。徳島大学が所有する床入れ替え装置を用いて、周辺路面N8の明度に対して輝度比10%から80%の8種類の帯(長さ900mm)を、帯幅(100mm、150mm、300mm)の3種類毎に比較実験を行った。照度は、薄明視に相当する1ルクスに近い実験室で河能な最低照度の5ルクス、道路面最低照度の10ルクス、一般的な照度実験として採用されている500ルクスの3種類を行った。明度の違う8種類の帯を明度順に並べて、どの明度の帯から溝に見えるかを被験昔に答えてもらう。また、8種類の明度と3種類の帯幅の帯を単独に提示し、その帯が溝に見えるか、また足を踏み出すことができるかの官能評価実験を行った。この本実験を実施することによって、輝度比と誤識別の関係(輝度比が上がるほど、溝と見えると答える割合が増加する)を定量的に明らかにすることができた。特筆すべきことは、先行研究によって明らかにした帯の視認性の結果と相反する結果を得ることができた。
|