| 研究概要 |
事故などにより手が切断された切断者のため,種々の筋電義手が開発され,また市販されている.しかし国内での使用実績は極めて低い.使用されない主たる原因の1つは機能が手に比べて格段に低いことである.そのため,義手を用いてできる作業内容は貧弱で,切断者は日常生活において多大の不便を強いられており,より高機能の筋電義手の開発が強く望まれている.義手の高機能化においては,切断者が元の手と同じように義手を制御可能であること,物体把握時の感覚情報を認識できることが望ましい.本申請では,皮膚電気刺激を用いた感覚情報伝達機能を備えた筋電義手の開発を目的とする.
本年度は以下の項目について研究を遂行した,
1.義手把握力・すべり検出センサを備えた義手人工指部の試作
昨年度試作した物体の把握時に指に生じる反力(義手把持力)とせん断応力の検出可能なセンサの改良を行うとともに,本センサを組み入れた柔軟性を持つ義手人工指先部を試作した.
2.感覚情報伝達システムの試作
検出された義手把持力及びせん断応力の情報を義手使用者に伝達するための感覚情報伝達システムを試作した.そのために,まず,電気刺激を用いた刺激提示システムを試作した.本システムでは,物体の把握物体の位置の探索時には,物体が接触した指の種類(母指,示指)と方向(内側,外側)を4つの皮膚電気刺激パターンを用いて使用者に伝達した.次に物体把握時には,物体が指先部のみで把握されている(つまみ動作)か,指全体で把握しているか(円筒握り)の2種類を送付するものである.
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