研究概要 |
本研究は,アスペルガー症候群児のバランス運動について運動発達検査、重心動揺、及び全身反応時間を測定することによって、発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder)に伴う不器用な運動の状態を評価することを目的とした。また、運動発達検査の結果と測定機器で得られた結果を比較することで、発達検査の有効性も検討した。 対象は、アスペルガー症候群の診断を受けている7歳から12歳の男児49名と女児15名の64名であった。 測定は、運動発達検査、重心動揺検査、全身反応検査を実施した。運動発達検査は、Movementassessment battery for children(以下、ムーブメントABC)を用い、バランス検査項目のみ実施した。重心動揺検査は、マットスキャン(ニッタK. K.製)、全身反応測定はリアクションMR(竹井機器製)を用いて実施した。 本研究の結果は以下の通りであった。 1)MABCのバランス系の障害得点結果は、6.8±4.06点であった。 2)運動発達検査の静的項目と重心動揺検査値との間には相関は認められなかった。 3)運動発達検査の動的項目と全身反応測定値との間には中程度の相関が認められた。
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