本研究では、教員養成課程の専門科目である体育実技科目の授業に、学生が将来教師として体育の授業で児童、生徒の運動の発生を促す、運動の促発能力を養成するプログラムを作成、実践し、発生論的運動学の立場から考察することを通して、その意義を例証的に明らかにしようとした。促発能力の中の観察、交信能力の基礎養成に成功した事例、失敗した事例を収集し、その分析を行った。その結果、実技の授業を通して学生が自分の動きかたに気づき、他者の動きかたと出会うことを前提とした、観察や交信能力の基礎養成が、学習者に応じた運動発生のための指導能力の基盤となることが示唆された。
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