本研究では東洋的身体技法を体育教材として取り入れることの可能性と意味を提示しようとしている。東洋的身体技法に含まれている個々の身体技法のエッセンスを抽出、簡略化し、段階的に再構成することによって、普通の体育教師ならば誰でも使えるように体育教材化しようとしている。 本年度は4年計画の2年目に当たるが、昨年度に引き続き東洋的身体技法に関する資料の収集、整理を行った。収集した追加資料は文献資料110点余とDVD10点であった。 現地調査として主にフリーエネルギー研究会、BMC等の講習会、気功練習会等で参与観察、聞き取り調査を行った。各種身体技法を収集すると共に、指導者達が把握している身体技法の教育的意味や実施上のノウハウについても聞き取り調査をした。 東洋的身体技法の構成要素(昨年の結果)である「姿勢、動き、呼吸、意識」を軸にして、各種身体技法を分析、再構成し、試験的に体育教材を作成した。主に姿勢確認法と呼吸法に関する教材であるが、「やり方」、「要点」、「コツ」、「注意点」に分けて言語化し、一部を映像化した。それらを「東洋的身体技法教材データベース」に入力した。 作成した教材を実際の指導場面で試行的に導入し、受講者の反応を調査(グループインタビュー)し、受講者からのフィードバックをデータベース改良に反映させた。 現役の体育指導者4名に現場で実感している東洋的身体技法の意味や可能性を聞き取り調査し、その結果から、教育的意味、可能性、注意すべきこと(危険性)等を抽出、項目化し、それぞれをデータベースに反映させた。
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