研究課題/領域番号 |
21500551
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
遠藤 卓郎 筑波大学, 体育系, 教授 (20134249)
|
キーワード | 東洋的身体技法 / 体育 / 教材化 / データベース / ボディワーク |
研究概要 |
本研究では東洋的身体技法を体育教材として取り入れることの可能性と意味を提示しようとしている。東洋的身体技法に含まれている個々の身体技法のエッセンスを抽出、簡略化し、段階的に再構成することによって、普通の体育教師ならば誰でも使えるように体育教材化しようとしている。 本年度は4年計画の3年目に当たるが、昨年度に引き続き補完的に東洋的身体技法に関する資料の収集、整理を行った。本年度収集した追加資料は文献資料60点余とDVD8点であった。現地調査として主にフリーエネルギー研究会、気功・ヨガの練習会,空手道研修会等でデータ収集及び聞き取り調査を行った。各種身体技法を収集すると共に、上級者・指導者達が把握している実践上・指導上のノウハウについても聞き取り調査を行った。 昨年度試験的に行っていた身体技法の教材化作業を本格的に行った。東洋的身体技法の構成要素である「姿勢、動き、呼吸、意識」を軸にして、分析・再構成した。寝方、立ち方、座り方など姿勢に関するもの、呼吸法に関するものを中心に作成した。「やり方」、「要点」、「コツ」、「注意点」に分けて言語化し、一部に映像資料を添付すべく撮影を行った。それらを「東洋的身体技法教材データベース」に入力した。現時点で総数79件である。昨年に引き続き、東洋的身体技法の指導者3名に聞き取り調査した。主に技法を指導する上でのノウハウや注意すべきことなどをそれぞれをデータベースに反映させた。 作成した教材を大学体育の授業や公開講座など実際の指導場面に導入し、受講者の反応を調査し、データベースのコンテンツ改良に反映させた。実際に授業に適用してみた結果、受講者の授業評価、実習ノート、レポートなどから判断すると概ね好評であった。教材化した身体技法は教材プリントとしても授業などにおいて配布したが、受講者の反応は概ね良好であった。特に、動きの分解写真などへの評価は高く、「すべての教材を映像資料化して欲しい!」という要望が多数あった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている理由を以下に挙げる。 *昨年度は3.11東日本大震災によって本研究の拠点となっている筑波大学も甚大な被害を被ったため、復旧、復興のための業務に従事せざるを得なかったため、当該研究に割り当てられるべき時間及びエネルギーが減少した。 *当該研究者の研究設備等の損壊もあり、復旧にかなりの時間を費やした。 *研究拠点である本務校で、大幅なカリキュラム改革があり、従前の授業内容の50%程を変更する必要が生じため予定した授業への導入に遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
当初からの主要目的である「教材化された身体技法を使った授業を行い、その効果と体育的意味を検証する」に中心的に取り組み、教材化の効果を判定する。 教材化した呼吸法で効果が著しく出ているので、当該呼吸法と自然呼吸法との効果の違いを主に呼吸数の減少と気分の変化を中心的に検証する。
|