研究概要 |
本研究は、平成19年7月20日に施行された「海洋基本法」にうたわれている「海洋に関する国民の理解の増進」に関する評価を行うための基礎を探求することを目的としている。 「海洋に関する国民の理解」は国民の"海洋リテラシー"という言葉で置き換えが可能であり、「海洋リテラシーとは海洋を総合的に理解する能力のことである。」と定義されている。本研究では、海洋リテラシーを構成する要素を抽出すること、海洋リテラシーを評価するための調査用紙を開発すること、それを用いた調査研究を実施するといった3段階の課題を設定した。 平成22年度は、2年目の課題として、日常から海洋に関する教育に触れ、かつ理解が深いと考えられる、海辺の体験活動に関わる指導者、水産高校教諭を調査対象として実施した調査をもとに、「海洋リテラシーを評価するための調査用紙の開発」を行った。その基礎的なデータの分析を行った成果を第13回日本野外教育学会において発表した(「海洋教育者を対象とした海洋リテラシーに関する調査研究」,日本野外教育学会第13回大会,於:山梨大学)。また、海洋リテラシーの概念に関する基礎的な調査研究を実施した結果を検討した論文について、投稿中である。 加えて、海洋リテラシーを構成する指標および質問紙の開発に関する研究についての論文を作成し、現在投稿中である。 このほか,アメリカ海洋教育者協会年会に参加し,海洋リテラシー評価に関する取り組み状況調査を実施し,今後の環太平洋諸国との連携についてインタビュー調査を実施した。
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