• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

分業に基づき関わりと理解を促進するボールゲームの戦術アプローチの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21500555
研究機関上越教育大学

研究代表者

土田 了輔  上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (00251869)

キーワードボールゲーム / 役割 / 戦術アプローチ
研究概要

今日の我が国のボールゲーム指導は,欧米のボールゲーム指導の流れを受け,ボールを受けるための動きや判断を,ユニバーサルな技術として学習者全員に一斉指導する傾向がある.しかし,ボールゲームはそもそも個々のプレーヤーに与えられた役割が異なる「分業」に基づいている.そこで,攻防などの分業に基づき,先ずは個々のプレーヤーの負担を減じた上で,各プレーヤーが,それぞれの役割からゲームの理解を深めるボールゲームの授業を検討することを目的として研究を進めている.
本年度は,昨年度得られた女子中学生の授業データを,(1)ボールを持たない時の動きの変化,(2)ボールを持たない時の動きの必要性の実態,について検討した.その結果,役割付与を強く意識させるバスケットボールの授業を実施すると,動きそのものを指導しなくても,役割に必要な動きを学習者が発見するため,結果的に「ボールを持たないときの動き」が増加することがわかった.また,マンツーマンディフェンスが徹底されるわけではない授業内のゲームでは,ボールを受ける時に「動き」が必ずしも必要とはいえないことが判明した.
また,高校生のサッカーにおいて,修正されたミニゲームを用いた短期間のトレーニングと,役割意識を強調してゲームを実践した場合とで比較実験を行ったところ,プレーヤーの運動有能感の変化に違いはなく,どちらも同じ程度に戦術的情況判断能(TDC)を上昇させる効果があることがわかった.
したがって,本研究で提案している,分業に基づき,役割意識から必要な行為を発見させる戦術アプローチは,短期トレーニングの条件下では,近年,我が国で導入されつつある修正ゲームと同程度の効果を上げることがわかった.上記の結果は,分業に基づくボールゲームの戦術アプローチの有効性を示している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] サッカーにおける役割付与がプレーヤーの情況判断と運動有能感に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      土田了輔・小泉昌幸
    • 雑誌名

      新潟体育学研究

      巻: 29 ページ: 57-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] バスケットボールにおける役割付与がプレーヤーのボールを持たないときの動きに及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      土田了輔・與那嶺響・伊藤雅則・阿部敏也・北澤太野
    • 雑誌名

      上越教育大学研究紀要

      巻: 30 ページ: 245-252

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi