本研究の目的は、日本、中国、アメリカ、イギリスの学生スポーツ競技者を対象として、各国でスポーツ行動、動機づけ、自己観の関連のダイナミズムについて検討し、その比較を通して日本人競技者の動機づけと自己観の特徴を明らかにすることである。本年度の研究実施計画は、1)従来の文献の整理を行うこと、2)各国スポーツ競技者の活動実態を把握すること、3)動機づけおよび自己観に関してインタビューなどにより検討すること、4)自己観、動機づけ、スポーツ行動を評価する尺度を確定すること、5)尺度を用いて調査を実施することであった。 本年度の研究実績は下記のように示される。 1) 文献整理:動機づけ、自己観、スポーツ行動、文化の文献を整理してレビュー論文を作成した。 2) 競技者の活動実態と研究体制確立:アメリカを訪問し、Brewer氏とHoffner氏と研究方法等の確認を行い、香港を訪問し、Gangyan Gi氏と研究方法等の確認を行った。また両国の活動実態を把握した。 3) 動機づけ等に関するインタビュー:充分なインタビューができず次年度以降の課題とした。 4) 尺度の作成:動機づけ(目標志向性、他者志向的動機等)、自己観(文化的自己観等)、スポーツ行動(競技への取り組み等)からなる質問紙を作成した。 5) 調査の実施:日本では大学生競技者を対象に調査を実施した。中国では尺度の翻訳を終え、調査を開始した。アメリカでは200名程度の調査を終え、現在調査を継続している。イギリスの調査は来年度実施予定である。
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