最終年度にあたり、これまでの研究成果を国際シンポジウムにて公開するほか、国内外の学術機関誌に投稿・発表した。 1.オーラル・ヒストリーと「わざ言語」(波照間) 韓国舞踊史学会と漢陽大学校ウリチュム研究所が主催する国際学術シンポジウムにおいて、国指定重要無形文化財「琉球舞踊」<総合認定>保持者のオーラル・ヒストリー研究-特に「わざ言語」の変容-についての成果を発表し論文として公開した(『〓〓〓〓〓』)。さらに、舞踊伝承に関するオーラル・ヒストリー研究の成果を、図書『日本人の"からだ"再考』にて一般向けに公開した。 2.流会派の発生と展開(波照間) 2010年3月に日本スポーツ人類学会大会(於:名桜大学)の琉球舞踊シンポジウムにて口頭発表した流会派に関する研究を加筆修正し『韓国舞踊史学』12巻に論文として発表した。 3.伝承の系譜と「ガマク入れ」技法(波照間・大城・花城) 2009年3月の日本スポーツ人類学会大会(於:早稲田大学)にて口頭発表した「琉球舞踊における玉城盛重系流会派の系譜と伝承」の内容を加筆修正し二つの論文にまとめた(『比較舞踊研究』18巻)。同論文は、玉城盛重の直弟子2名と孫弟子2名を対象に実施した聞き取り調査の結果を、先行研究を踏まえ考察したものである。 4.玉城盛重系流会派における「ガマク入れ」披法の比較(花城) 上記の「ガマク入れ」技法の研究成果に引き続き、盛重の孫弟子数名にインフォーマントを拡大し、伝承時の教授法や身体意識に関する聞き取り調査を行った。その成果を比較舞踊学会大会にて報告し、同学会学術機関誌に投稿した(『比較舞踊研究』18巻)。
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