研究課題/領域番号 |
21500572
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
大森 慈子 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (90340033)
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研究分担者 |
立平 起子 仁愛大学, 人間学部, 助手 (80460385)
廣川 空美 福山大学, 人間文化学部, 講師 (50324299)
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キーワード | 泣き / 涙 / 感情 / 表情 / ジェンダー / 感動 / 悲しみ / 笑い |
研究概要 |
本研究の目的は、泣きと涙液の分泌の定量的分析および身体的・心理的健康に与える影響について、生理指標、生化学的指標、行動指標、主観的指標を用いて実験的・多面的に検討することである。泣くことや涙に対する一般的な認識を捉えた上で、泣きと涙の定量化を試み、涙を流すことによる心身状態の変動を明らかにしようとするものである。 初年度は、予備的研究として、泣きと涙に対する一般的な認識についての調査を行った。日常的に涙を流す頻度やその原因、涙を誘う書物や映画などを問う調査項目に対する回答結果より、来年度以降の実験的研究で用いる悲しみや感動を喚起させる刺激映像を選定する。涙を流すにいたる刺激映像は人によって様々であること、内容を知っていたり以前に視聴した経験があることは、感情の喚起に大きく影響しないことが明らかとなった。さらに、男性においても涙をよく流す人が多くはないが見出され、被験者のプールの目安を立てることが可能となった。 また、泣くことおよび涙を流すことによる心理的・身体的変化を検討するため、悲しみの表情のフィードバック効果を実験的に調べた。さらに、他者の涙を見ることによる感情の変化を捉えることを目的に実験を行ったところ、笑顔や怒りの表情に対する反応とは異なる結果が得られた。なお、涙が出るような感情操作に適切な実験状況を設定する際の参考にするため、他者存在および対人不安特性について、多くの知見がすでに示されている笑い表情の表出における影響に関する実験を実施し,学会発表を行った。
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