研究課題/領域番号 |
21500572
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
大森 慈子 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (90340033)
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研究分担者 |
千秋 紀子 仁愛大学, 人間学部, 助手 (70612670)
廣川 空美 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (50324299)
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キーワード | 泣き / 涙 / 感情 / 表情 / ジェンダー / 感動 / 悲しみ / 笑い |
研究概要 |
本研究の目的は、泣きと涙液の分泌の定量的分析および身体的・心理的健康に与える影響について、生理指標、生化学的指標、行動指標、主観的指標を用いて実験的・多面的に検討することである。泣くことや涙に対する一般的な認識を捉えた上で、泣きと涙の定量化を試み、涙を流すことによる心身状態の変動を明らかにしようとするものである。 研究期間3年における最終年度の23年度は、昨年に実施可能性の見当をつけた涙の測定方法を用いて、実験的に泣きと涙の量的な検討を行った。約2時間にわたる涙を誘う映画視聴中の涙液を、長時間記録するために改良した綿糸およびシルメル試験紙、綿球の3種類の方法で採取し、同時に唾液中アミラーゼ活性値と瞬目を記録した。その結果、測定方法による被験者に対する負担の違いがあるものの、涙の量と感情および気分の関係が明らかになった。 また、感動映像視聴前後の唾液中コルチゾールの変化を、泣いた人と泣かなかった人に分けて比較したところ、泣いた人に見られたコルチゾール値の大きな変動が、気分の爽快感と関係していることが示された。これについては、論文にまとめて学術雑誌に投稿した。さらに、泣くことおよび涙を流すことによるストレスの軽減について検討する研究の一環として、音楽によるリラクセーションと生理反応の変化について、喚起される感情に対する教示の影響を捉えることを目的に実験を実施し、学会発表によって報告を行った。
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