研究概要 |
校野球を通して、どのように「沖縄人であること」「日本国民であること」を構築し、生きてきたのか、その文化的社会的諸相を探ることを課題にした。3年計画の最終年である今年度は、昨年度の実績の上に、以下の研究成果が得られた。1.沖縄における東京オリンピックの意味について、以下の著書を出版することができた。Satoshi Shimizu : "Rebuilding the Japanese Nation at the 1964 Tokyo Olympics : The Torch Relay in Okinawa and Tokyo", Kelly, William W. and Susan Brownell (eds.) The Olympics in East Asia : Nationalism, Regionalism, and Globalism on the Center Stage of World Sports. Council on East Asian Studies, Yale University : New Haven, Connecticut, 2011. 2.沖縄における高校野球の意味作用に関するインタビュー調査を現地で行い、高校野球関係者から貴重な資料を収集することができた。そして、沖縄における高校野球の文化史を戦争との関係を踏まえてまとめることができた。Satoshi Shimizu : "The Significance of Koshien Baseball in Postwar Okinawa : A Representation of 'Okinawa'", The International Journal of The History of Sport, Taylor & Francis, 2012.(印刷中) 3.1940年-1964年-2016年の東京オリンピック招致活動の歴史について、日本における東京の位置と都市の変容を分析し、まとめることができた。清水諭:「なぜオリンピックを東京に招致しようとするのか:オリンピックと東京の1940-1964-2016」菊幸一(編)日本体育協会創世期における体育・スポーツと今日的課題:嘉納治五郎の成果と今日的課題,日本体育協会,2012.(印刷中)4.スポーツとナショナリズム、スポーツと文化政治について、一般学生向けに用語解説を行った(清水諭:「スポーツとナショナリズム」「カルチュラル・スタディーズ」井上俊・菊幸一(編著)よく分かるスポーツ文化論,ミネルヴァ書房,2011,40-41;184-185)ほか、研究代表者のホームページにおいて情報発信し、国内外の人々との議論及び教育現場に貢献することができた。
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