研究概要 |
主観的強度を強度指標とした筋力トレーニングの効果について検証した。男子大学生21名を被験者とし、等速性運動(角速度:60度/秒)によるトレーニングを行った。主観的強度指標として0(努力なし)から10(最大努力)までの整数によるスケールを用い、それぞれ6,8,10の強度の3グループを構成し、30回の下肢伸展を1週間に3日、10週間のトレーニングを行った。トレーニング時の発揮筋力:トレーニング時の発揮筋力の測定は第6週から第8週の間に行った。30回の脚伸展の前半では6グループでトレーニング前の最大値に対して、右35-40%、左35-42%、8グループで、右60-65%、左60-64%、10グループで右130-140%、左120-130%であった。グループ6,8では伸展回数が進むに従い漸次発揮筋力が上昇を、グループ10では漸次低下を示した。 トレーニング効果:最大下負荷グループを含め3グループでトレーニング効果が認められた。 これらの結果より、静的筋力発揮において、主観的強度と発揮筋力との関係に指数関数的関係が成り立つことを報告してきたが、本報告で動的筋力発揮においても同様の関係が成り立つことが示唆され、筋力トレーニングにおける強度指標として主観的強度を用いることの有効性が示された。また、最大下のトレーニング負荷においても効果が見られ、介護予防や健康つくりにおいて安全に処方できることが示された。
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