筋力トレーニングは高齢者のQOLの向上、介護予防、一般人の健康の維持増進の観点からも重要である。本研究では、昨年に続き筋力トレーニングの強度指標として主観的強度を用い、市井にあるトレーニングマシーンを使用し、最大下努力における筋力トレーニングの有効性と効果について検討した。 被験者は中高年者を対象に、トレーニング強度別に第1(主観的強度6 )、 第2 (主観的強度8)、 第3グループ (主観的強度10)の 3グループを構成した。トレーニング方法は主観的強度指標として0(努力なし)から10(最大努力)までの整数によるスケールを用いた。この指標に従い、それぞれのグループは、10-15の反復間に既定の主観的強度に達するように負荷重量を調整し、脚伸展のトレーニングを行った 。反復の回数に関わらず既定の主観的強度に達した時点で、そのトレーニングは終了し、1日1回、週3日、10週間継続した。効果判定はバイオデックスを用いて測定した。その結果、左右の最大脚伸展力は、それぞれのグループでトレーニング後に有意に増加した。グループ間での改善率には統計的有差は認められなかった。トレーニング時の主観的強度に対する物理的発揮筋力と反復回数は筋力の改善に伴い、漸増する傾向が認められた。固定負荷で反復を繰り返し、規定の主観的強度に達した時点でトレーニングを終了するという方法を用い、その結果、主観的強度6の条件でもトレーニング効果が認められ、高強度では改善率が大きくなる傾向がみられた。トレーニングの進行に伴い、負荷強度、反復回数に増大傾向がみられ、主観的強度指標は、改善に伴い負荷を漸増できる方法であることが認められ、最大下の負荷でトレーニングを行う際の有効な指標であることが示唆された。また、24年度の追加実験にてコントロールの測定を行った。結果については現在処理中である。
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